新しい果実/GRAPEVINE【考察】

好きなバンドの新譜が出た。

 

私は毎日楽しんで暮らしているタイプの人間だが、好きなバンドの新譜が出ることほど素晴らしい出来事は、そう無い。

興奮冷めやらぬ中、一日新しい曲を一曲ずつ、少しずつ大事に聴いている。

 

先行シングル的な位置づけで3曲(アルバム曲順としても1-3曲目)が配信されていたが、こちらもYouTubeで配信される都度楽しく聴いていた。

ここで素人リスナー(ファン歴20年くらい)兼素人ブロガー(年に数回更新)である私が勝手な考察(という名の感想文)を書き始めようと思う。

 

♪ねずみ浄土

最初の印象「ちょ…曲名…笑」

リードシングル2発目に発表された曲ですね。

「お、そんなキレイめなシティポップやっちゃう?俺らのバインとうとう売れちゃう?」とファンから心配されるほど珍しくイマドキな曲。

しかし歌詞では東西の宗教観を対比しつつ世相批判をするっていうかなり挑戦的でアイロニー(曲調と歌詞の対比)にアイロニー(歌詞の中での対比)を重ねるバインらしさ全開のミルフィーユ的な曲です。

MVでは、異国のホテルウーマンが踊りながら日々のルーチンワークをこなしていくという、シュールさ、美しさとコミカルさを併せ持った世界観でストーリーが進みます。

 

歌詞について

アダムとイブ、新たなフルーツ(=リンゴかな)、復楽園…と海外の宗教観を出したかと思いきや「お餅は搗けましたか」→

そこからネズミが降臨し「葛籠はどっちでしたか」(おそらく昔話:舌切り雀)「おむすびころりん」(昔話:ねずみ浄土&曲名の回収)と日本昔話へシーンが変わる。

また「オリジナルシン」(原罪=キリスト教の概念)と海外宗教観へ…

ここは西洋⇔日本(東洋)いずれもの昔話・価値観をリンクさせてるらしい。

日本には固定の宗教が無い代わりに、昔話の様な物語を以てして教訓・教養としてきたんだよなぁ、とか(脱線)。

歌詞の辺りの考察はRealsound様が素晴らしい記事を書いてらっしゃるのでここらへんで。

 

このバンドの曲がスルメと呼ばれる所存は、一曲の情報量が多すぎて一度ではすべてに理解が及ばないところにあると考えている。こんなググりまくらないと何言ってるか分かんない曲作るバンド僕は他に知らない。あと彼ら曲作るの楽しみすぎて色々実験しちゃうから一聴では違和感のある(場合によっては聴きやすくない)曲も多いですからね。

 

 

♪目覚ましはいつも鳴りやまない

リードシングル3曲目。

田中氏は「子供の目覚ましが止まんないなぁ」との気付きから歌詞を連想したとの事。

なんのこっちゃ。良いパパかよ。

バイン流のハッピーポップソング。聴きやすさ100%でオシャ感も保持しつつ、歌詞も社会人をはじめ、日常を頑張る人たちへ向けた応援ソングです。世が世ならミスチル的立ち位置の曲かも知れません(嗚呼、そんな時代も…)。

    リヴィングジャストイナフフォーザシティ

恐らくStevie WonderさんのLiving for the City:汚れた街から歌詞を拝借していると思われます。

意味合いとしては「この街でしっかり生きていくんだ」「この街で生きていくには十分だ」という感じでしょうか。

 

♪Gifted

リードシングルでは発表1曲目。

破裂音ともとれるドラム(ハイタム辺り)の音が強烈にスパンスパンいうイントロ。

このイントロめちゃくちゃインパクトがあってワクワクゾクゾクしました。

 こんな分かりやすくダークさ全開なのスロウ以来?とか。

 光なんて届かなかったんだ

って歌詞、ALL THE LIGHTの流れと真逆の事を言ってない?と思いきや、田中氏によれば「大きなテーマとしては、どちらも同じことを書いてると思うんですよ。優しく言うか、厳しく辛辣に言うかの違いだけの話で。」(引用:Realsound様)とのこと。

ふーん、言うじゃん←

 

♪居眠り

ちょっと印象薄いかな…


♪ぬばたま

今のところ一番リピートしてます。

美しいピアノソロから

 愛がすべてなんて

 言われてはかなわない

という歌詞から歌い始める曲。

ぬばたま、って地名しか知らなかったけど、ヒオウギという花がつける真っ黒な実の事で、万葉集では枕詞としてよく使われたそうな。こんな美しく響く日本語なんだなぁと感嘆。バインを聴いてると良い影響として語彙が増えることが挙げられます。

前半の歌詞はほの暗い幻想的なラブストーリー調、中盤から世相批判とアイロニー

でも

 小便と油を炒めるスメル

はダメでしょう…笑

まぁ曲が終始美しいから許しちゃうんだけどね…

 

 

♪阿

まさか私の苗字の一部が曲名になろうとは←

「阿」をモチーフに歌詞が展開されていきます。

「にせんエックス年」て表現久々に聞いたな笑

 阿る →おもねる

 阿保

 阿修羅

 阿吽

 阿鼻叫喚

 阿弥陀

アルバムの中の「ロックポジ」曲ですかね。

ベースラインがベネ。

 

 

さみだれ

「亀曲=泣き曲」

自分の中ではこの方程式。亀井さんの作るグッドメロディは不滅です。

作曲が先だったらしく、田中氏が作詞する時も「いいメロディやから、いい歌詞にしないと」と言った気持ちで作詞されているようで(引用:natalie様)、ストレートな美しい歌詞です。

ミドルテンポのメロウなメロディと併せて畳み掛けてきますね。

 遠回りして賑わう通りを避けて

 花を買う

 気紛れだって窓辺に飾ればまた

 明日があって

 ただこうやってただこうやって

 あなたがここに在って

 笑い合って涙流して

 心は軽くなって

 この日々はずっと

 この手は離さないと

 温もりは永遠と

 そっと胸に刻んでいた

昔、他のアーティストのバインに関するインタビューで、トライセラの和田さんが

「彼の作る曲の歌詞を聴けば、彼が『陽』側の人間だって分かる」的な事を仰ってたのを思い出した。

長く聴ける曲だな、と感じた。

 

 

 ♪ josh

これもスルーしてしまう方の曲かな…

変な電子音で始まるのが好きになれない笑


リヴァイアサン

90年代風のポップ&ロック調の少しアップテンポな曲。(不協和音ぽいの多様してるけど)

 憂き世リヴァイアサン

 人はベヒモス

リヴァイアサンはご存知、旧約聖書に登場する海中の怪物。ゲームとかでもよく出てくるイメージ。

ベヒモスもゲームに出てきそうですね。旧約聖書に登場する地上の怪物だそうな。

 潰し合いなら上等さ

こんな直接的な表現を使うのは珍しいですね、

 いくら若僧が叫んだって

 届かねえ届かねえだろ

たまに言及する、若い世代へ向けた挑戦的なメッセージか?

それとも

 騙されんなよ高校生

とするあたり、若い世代へ向けた応援歌か?

 傍観はまるで恋の味わい

傍から見てる人の不幸は蜜の味、的な

 シャーデンフロイデ寄っておいで

これ田中氏は完全にメンタリストDaiGo氏のYouTubeみてるね…

 ここが「ざまあみろ」で溢れる

一連の流れでまたもや世相批判を繰り返す田中氏。そんなに世の中に申したい事があるのか。(よくインタビュー記事には「世の中に言いたいことはめちゃくちゃある」と言っている)

ちなみにシャーデンフロイデとは「誰かが失敗した時に思わず湧き起こってしまう喜びの感情」で、誰もが持っている感情だそうです。まぁ分かりますね。

 


♪最期にして至上の時

こちらも美しいピアノから始まるスローテンポのバラード。

しかし…なんだか奇妙なテンポだな…

と思いきや別に普通だ…

いや、やはりおかしい…

おそらくテンポは正常だけど歌詞を乗せるタイミングが変なんだ…

詳しい人教えて欲しい←

 冷えこむ晩に月が出れば

 きっとそれがあなたと

 池の水面 小石投げた

 ゆらり揺れて爆ぜた

なんてロマンチックなんでしょう。漱石は「愛している」を「月が綺麗ですね」と訳したと言う。こちらの月の件は田中氏流の愛してるなのでしょうか。(いや、独り言タッチなシチュエーションなので漱石の発言とは趣がそもそも違うか…?)

この場面では既に「あなた」が近くにいない事が分かりますね。そして曲名の「最期」という部分がさらに気になり出す気になり出す 

    月は次第に細く欠けて

    一生を告げて見せた

毎夜細くなる月に自分の残りの命を重ねているのか…

    ひねもす業に蝕まれて

    ふと肩を落とせば

    あなたがいて幸せだった

ひねもす(一日中)業=カルマ(ここでは逃げられない輪廻的なもの、悪因悪果的なものか)に蝕まれて(心も身体も)、もう余命幾ばくも無い時、ふとあなたを思い出す。

あながいて幸せだった…って、こんな直接的で平易な言葉で閉めるのかこの文節。

    最期にして至上の時

    我が身の不浄 流れてゆけ

    五臓に触れ 胸を穿ち

    祈りの向こう

    巡り会えると

朽ちる瞬間、この身が清められるといいなと期待をしてしまうんでしょうね、きっと。

本当に最期の時、「あなた」と一緒にいれたのかどうかは分からないけれど、またどういった形かで巡り会えるといいなと、祈りながら、眠りにつきましょう。

 

 

 

 

今回のアルバムは歌詞の中で二つを並べて二項対立の図を作ったり、比較検討したり、並べて遊んだりするものが多かった気がします。

東西の宗教観(ねずみ浄土)、リヴィングジャストイナフフォーザシティと足るを知る(目覚まし)、思い描く美しい世界と現実のクソな世界(ぬばたま)、風と雨、光と影(さみだれ)、リヴァイアサンベヒモス(リヴァイアサン)などなど。

 

またシティポップ的な曲作りのチャレンジ姿勢を見せつつ、全体的にはダーク寄りのトーンで、世相批判が多く日本文学臭(スメル)がしたりと面白いです。

眩いばかりの光を見せた前作ALL THE LIGHT、洋書・洋画の匂いがかなりした前々作Roadside Prophetとも異なるアプローチですね、ほんと飽きさせない。

 

 

ちょっと長くなったのでこの辺で。

また今度何かアルバムの考察(感想文)でも書きましょう。

読書:勝間式 超コントロール思考

最近職場で、部下にイラついてしまう事があったため、これは自分をコントロールできてないな、とKindleUnlimitedで良さそうな本をピックアップ。

目次を熟読し、面白そうな部分のみを読みました。

第4章 人間関係をコントロールする
「怒り」のコントロール

正に今の自分に当てはまるところ。
昨今よく聞く「アンガーマネジメント」という言葉が出てくる。

「怒るべきことは怒ってもいい。
また怒るべきことでは無いことには怒ってはいけない。
どちらでもいいことについては怒らない方が良い」

なんとも分かりやすい。
怒りを全否定するのではない。

怒りは必要なものではあるが、
それは限られた場面のみであり、
通常はまぁマイナスに作用する事が多い。
そのためなるべく怒らない方が良いに越した事はない、という感じでしょうか。

「怒ると損をするという事を、損得感情(勘定)でまずは理解すること」

という勝間節が効いてきます。



1番記憶に残った部分
「タクシーに乗らなければならないのは時間に余裕がないから。時間に余裕があれば、運転する人の能力にばらつきが少なくて値段も安い公共交通期間を存分に使える。」

勝間さんがタクシー嫌いなのがバシバシ伝わってきて親近感が湧いた。

音楽:Roadside Prophet / GRAPEVINE

ただの個人的なまとめ雑記満期払い戻しです。
GRAPEVINE好きな人の目に止まって流し読みでもしてもらえたらこの上ない幸せです。


♪Arma
ホーンが涙腺にダイレクトアタック…
30代に入った僕に直撃しました。

明るく、ストレートに、今までの辛さや、大変だった事、全てを肯定してくれる。
生きている事を肯定してくれる。
そしてこれからの人生もまあ悪くないさ、
歌いながら行こうぜ、と。

アニバーサリー感が凄いですね。

物語は終わりじゃないさ
全てを抱えていく

先日のツアーファイナルで聴いた時のカタルシスときたら…
詳細はそちらのページへ←


♪ソープオペラ
レアリスム婦人と並んで超カッコイイポジの曲。
とても良い…良いよ…心地良いよ…

白いタオルが5秒で可哀想な歌。


♪shame
これも割りとカッコイイポジか。
ビクターのサイトで先行試聴できてた曲。
期待が高まっていた曲。
音少なっ

恐らく世相へのアンチテーゼ的な立ち位置。

進化していく世の中、立ち遅れる世代、
ネット上では自らの正義を振りかざし無礼な人達、
実際は対岸の火事で自分は安全だと思っている、
虚栄を張るために(我々が提供できる)フェスなんて
どうですか?

一言で言うと「残念 = shame」だよなぁ…

「出歯亀」伏線を2番ラストで回収する「女風呂へ」


♪これは水です
This is Water


♪chain
弟や友達や周りの人
先生たちはあてにならないかも
声にならないわずかなエコー

他にもキーワードが日常的と言うか
ここんところ詩的な、幻想的な、物語的な歌詞選びをする田中だけど、今回は「学校」とか「日常の孤独」とか、いつもと違う景色を見せてくれた曲。

まともなおまえらは やればできる子

なんだか劣等感を感じさせる歌詞も…


♪レアリスム婦人
イントロがカッコよすぎるだろ…
なんだよこれ…
その後もずっとベケベケベケベケベケベケと同じ音を刻むギターが良すぎるだろアニキ…
んでサビでちょいと歪むの良すぎだろ…

現れて 現れて消えるわヴォワイヤン
現れて 現れて消えるお前はオメー

また単語の意味を把握するため←に調べたのですが、
まずこの曲は「ボヴァリー夫人」という小説がモチーフだと言うこと、
ヴォワイヤンは見者、普通以上の感覚と完成を持つ人、
オメーは登場人物達だそうな。

ふぅ、疲れたのでまた今度調べますね←
ボヴァリー夫人は2016年に映画化もされているようです。観てみよう。


♪楽園で遅い朝食
きた…間奏でアニキのギュインギュインギュワォォォォォーーーン

失くしてしまったバカンスへ
熟してしまったバカンスへ
疲れてしまったらバカンスへ

ここではいつもベイカンシー

バカンスは和製英語(仏語)で「長期休暇、休養」など
反してベイカンシーは派生語な感じがしますが
意味は「空っぽ」転じて「上の空、放心状態」…

愛あるアイロニーに満ち満ちてますね。
そして言葉遊びがひどい(すごい)
大好きですこーゆーの。


♪the milk (of human kindness)
=「生まれながらの人情、心の優しさ」

全然そんな感じの歌詞ではないが、
その曲名と歌詞が反転しているところが
逆にバインらしさを感じる。

実に愚かなプレシャスワールド
← カタカナなのもバカにしてる感じが出てて良い。


♪世界が変わるにつれて
サムソナイトはスーツケースメーカーにありますが、
聖書に出てくる怪力の大男サムソンからとられたそうな。
ここに出てくるサムソナイトもそんな感じなのかな。


♪こめかみ
曲調はアルバム中1番泣きのポジ。
歌詞感は小説の1ページ系です。今回多いね。

脈を打ち出す蟀谷(こめかみ)が

浅ましく生まれ変われる気がして

フレスコの壁に見惚れた

凄いよな相変わらず。


♪聖ルチア
ラストにふさわしい爽やかな曲。
歌詞はちょい世相アイロニーも入ってるけど、
基本前向きな社会人ソング←
曲名は厳かなオーラ出してるのにね。

1曲目のArmaから、ラストのこの曲で締めるから
アルバム全体が前向きなオーラを放ってる気がする。



いかがでしたか?←

今回のアルバムは変拍子の曲もなく、英語発音に寄せて歌ってる曲もあり、いい感じに聴き流せる感じのアルバム作りでありながら、歌詞を見ながら聴くとめちゃくちゃ奥行があり、やはりボリューム満点で重めです。

前作BABELBABELが歌モノ + 実験的な曲作りが多かったのを考えると、
今回アルバム通した統一感がかなりある。

ダーク寄りのBurningTreeと、明るく爽やか寄りの真昼ストレンジランドのちょうど真ん中辺りかな。


以上、バインにハマるきっかけになった曲はOurSong、アルバムで1番好きなのはBurningTree、曲では「涙と身体」が好きな僕が全てに感謝したようなツルッとした顔してお送りしました。


気が付いたらクリスマスイブ

さよなら、さよなら

LIVE:GRAPEVINE 20th anniversary 2017 extrashow

バインのライブに行って来た。

GRAPEVINE
中学のときから聴いてるバンド。
なんで好きなのかは分からない。
自分の感覚にフイットするんだろう。

当日は会社を早退するぐらいのテンションで望むつもりが、いかんせん仕事っちゃあ予測できず来るもので。
まあ仕方ない、と思い急いで東京駅へ。

Roadside Prophet と題打たれた今回のアルバムは「道端の預言者」…あくまで力のある側の発言ではなく、道端に転がる声なき声、言うなれば社会的弱者側の発言を謳う、というもの。

蓋を開けると疲れたサラリーマンの応援ソングだったりw

20周年にもかかわらず、特別な演出もサービスも特に無い普通のライブが、このバンドの20周年を逆に強烈に印象づける。
いたってシンプルな、地道な、やりたい事をやり続けた結果が20年。

王道もあるがそれに寄り過ぎず、また奇をてらい過ぎず、ダークでシリアスなイメージがあるがそのイメージにも頼りすぎない。
いわゆるヒット曲が「スロウ」「光について」だし、ライブで1番盛り上がるのが「豚の皿」っていうところでダークなイメージを持たれない方が無理な気もするがw

※「豚の皿」…どこかの国の独裁者の歌。「豚の皿」(人の欲、汚いもの?)なるものが満たされていき、ストラディバリウスの音色に合わせて骨の旗が振られ、大きな号令が鳴る…
建物に火をつけたりもする

そーゆー歌だけではないw
「Arma」で '武器は要らない' と歌われる。
※Arma … スペイン語で「武器」を意味する
今の世の中、正直無理がある。
自分だけの武器を持て、突出したものを手に入れろ

当たり前に強要されるこの点を真っ向から否定するには訳がある
「俺達にはこれだけのファンがいる。これが俺たちの武器だ」
おそらく史上最も「らしくない」発言。
出典がどこかは分からないが、田中もそんな気分の時もあるんだろう。
(知らないだけでファンを慮る発言をたくさんしてるのかも知れないが)

ライブは到着が遅く、最初数曲聴けなかった。
暗過ぎて席が分からずなかなか座れずw
着席して、周りの人が静かでよかった。

Oursongっていうこのバンドにハマるきっかけになった曲があるんですが、それが流れた時のカタルシスは筆舌に尽くしがたいものがありましたね。

このバンドにしては珍しい、割りと直球のラブソング、かな?
なんかね、良いんですよ。
好きだの愛してるだの大事だの大切だのそーゆー歌詞は一切出てこないくせにいきなり
「君を失くすくらいなら死んだ方がマシ」
ってさ、おいおいwwくっそww刺さるwwみたいな

アンコールで名曲「光について」最後はデビュー作の1曲目「覚醒」でニヤニヤしっぱなしでしたね。
普段感情を動かさない様に生活してるので、
終始感情を動かされっぱなしの時間で精神的にどっと疲れたw心地よい疲れ。

ライブ終了後、柄にもなくバンドTシャツを買ったりして…w

ファン歴は長いがライブにしょっちゅう足を運ぶ訳でもなく、新譜を予約して買うほど逐一チェックしている訳でもない。
今回も少し生活に余裕が出てきたからライブ検索してヒットしたから行った、くらい。
ガチファンの方からしたら「なんだこいつ」だろうなwすみませんw

でもずっと聴き続けるんだろうなぁ。
だってこんなカッコイイバンド(大人向け)、そういないぜ。

言葉:温故知新と守破離

この歳になって偉人の名言や、ことわざ、四文字熟語やら色んなものに触れていると
結局は同じ事言ってんだなぁ、、、と思うことがある。
結局、人生の真理や辿り着く所は、皆同じなのか。。。


今回共通点を見出したのは、題名とした「温故知新」
…古きを訪ね、新しきを知る。
皆が知ってる「子、曰く…」で始まる論語の1つ。
孔子の名言のうち本当にメジャーなものの1つですね。
単に「歴史を学べ」という意味だと思っていたけど、それだけでなく「今までこのやり方をしてきたのには訳がある」という意味も含まれているらしい。
時代は変わり、法律経済コミュニケーション…
様々な事がどんどん新しくなっていくが、
「古いやり方にも、それはそれで意味があった」と。


これに対するは「郷に入っては郷に従え」
…その場所に行ったら、その場所の作法を守れ、ということわざ。
これも理由付けは同じなのではないか、と思った次第。


それを応用させたものが武道で言う「守破離
…1 守、まずは一つの流派の型通りにやる。ルール通りやる。
2 破、違う流派を取り入れる
3 離、一つの流派から離れ、新しい試みをしていく。

→ 1はそのまま、ルールとおりにやれ、という話。
2はそこから新しい段階、違うものを取り入れ、3で完全に羽化、完全に新しいものを作っていく。

重要なのは、1 守を忠実に守ること、と教えられた。
なぜなら幾人の人たちが長い期間を掛け試行錯誤し、1番効率が良く1番強力だと思われるものが「型」として残っているハズだからだ。


けっこう「破」とか「離」から始めてしまうタイプなので、これらの名言や熟語の意味を理解し、取り入れていきたいと感じる。

美術:会田誠展

戦争画リターンズ」

GateBall

じじいばばあが様々な国の若者や幼児の顔をボールにゲートボールしている。

若者搾取の経済構造の風刺。

NY空爆之図

零戦がNY上空を∞の形を作りながら飛びNYを焼き払っている。

やっちまえ的な?

題知らず

広島原爆ドーム。真っ白。

ホワイトハウス

たまゆら

太平洋戦争とは 意味 ではなく 叙情 ?

なんやねん

2011.3.13あたりの幻視

アシモ原発直してる。

オレもこんなんになってると思った。

未来は遠い。

その他

ポスター(18連作)

子どもの純粋さを大人が利用する構図。

新宿城

ダンボールで作った城。

日本では自宅を 城 と呼ぶ。

ホームレスにまで落ちぶれても笑うくらいの余裕は欲しい。

モニュメントフォーナッシング

熊手 がベース。

触手、女子校生、えろ本のイキ顔、セントくん、紙幣、『今売れています』のPOP、ドンキのペンギン

自殺未遂マシーン

足場と絞首ロープ。ロープには色々ついててドリンクホルダー(中にはワンカップ大関)、携帯つき。

ピンクの部屋

小腸がモチーフ。

ジューサーミキサー

若い全裸の女性が大量にミキサーにかけられてる。

灰色の山

サラリーマンの死体の山。

ジャンブルオブ100フラワーズ

たくさんの全裸の少女たちが銃で打ち抜かれて、打ち抜かれたところが花や鳥やいちごに変わる。

少女達はとても楽しそう。

巨大なイモムシや伊勢海老を抱えている少女も。

河口湖曼陀羅

学生時代の作品。

「美術が扱うのは本質でなく、表面だ」

食用人造少女 美味ちゃん

食人ヤプーみたいな世界観。

I-de-a

「美少女」という言葉だけでマスターベーションを試みた。

1時間以上かかった。

音楽:GRAVEYARD

最初これはアルバム全体のトーン通り一種のモダンなバイン流グリム童話の様な作風かと思っていたがよく聴き直し歌詞を見直すとGrapevine自叙伝ならぬ現在の彼らの立ち位置や心境を歌ったものなのではないかと。

指を咬まれた、四つ角の悪魔、モダングレイヴヤード。

童話調、フィクション風でしょう。

ただ目についた

“有財無財餓鬼達と踊れ”

“伝えるべき事は無え”

有財無財なんて存在しない言葉を使うのも彼等の持ち味だが発音は

   ウザイ。

この一言を言いたいが為の一文なんても考えられる。

今音楽シーンを賑わす若い世代…餓鬼とか。

ただ目立ちたいためだけに音楽やってんじゃねーよ…餓鬼共…とか。

楽家なら誰しも伝えたい事があるなんて考えるのが日本人だが実際はそーでもなく、ただ自分がやりたい音を出したいやりたいなんて奴等も多いし田中自身もはっきりと歌詞は重要じゃないと言っている。

昔から変わらぬスタンス

   言いたいことは無え。

彼らは歌詞が特徴的で人気を集めるポイントでもあるが田中は言葉の音、語呂の方が重要でそこからリスナーが物語を想像していくのが楽しいのではないかと言っている。

その他

“馬鹿みたいな顔ばっか”

とか

“たかがこれだけ謳う為 何をしている?”

とか

“揺らいだ世界で独り立っている”

とか。

色々とぐだぐだ書いたが、なんつーか孤高であり続ける彼等が大好きだ。

謙虚なんだか高慢なんだか分からないスタンスも大好きだ。

存在自体が世の全てに対するアンチテーゼに見えて大好きだ。 15周年おめでとう。